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2019年9月15日 (日)

ニュース23 マンデープラスに取り上げられた番組に対する感想(宗補雑記帳からの復活ブログ) 

2007年4月30日  マンデープラスに対する感想 
 
 23日(月)の筑紫さんの「NEWS23、マンデープラス」での放送に対し、友人知人からの感想ははおおむね好意的だった。何よりも構成が良かったという指摘と、生スタジオの「リンゴの老木」についてのコメントが良かったと評価してくれた声が多い。個人的にはスティール写真や写真集という媒体ではない、テレビ特有の力や表現方法を改めて実感することになった。せっかくだから自己宣伝も兼ね紹介させていただく。

・「拝見いたしました!休館日の翌日は、修学旅行予約のため開館していて番組をみたかたからの「写真展」の問い合わせの電話や、実際に美術館に「写真展」をご覧に来た方も2組ありました。短い時間でしたが、きちんとしっかりまとめられていた内容でとてもよかったです。山本さんもかっこよかったですよ!!個人的には、美術館入り口の看板から入ってくださったのに感激しました。」
これは番組冒頭で紹介された沖縄の佐喜眞美術館からのもの。写真展「また、あした」は昨年末で終了しているにも関わらず、館に足を運んでくれた視聴者がいることに頭が下がる。

・「お年寄りって可愛いものなんだなって実感しました。きっとそれは、出てきた方みんな、今もしっかり自分らしく生きている方たちナンだなあと思います。わたしもますますかわいくなるぞお!と思わせてくださいました。」

・「くつみがき・・ 元気ですよね~ 駅から歩いて出た時、くつみがきが仕事だと思わなかった。とっても上品な(と書くと靴磨きが上品じゃないみたいですけど・・)ご婦人っていう印象でした。仕事が品格を作るんじゃなく、どんな立派な仕事でも、偉いといわれても、その人そのものが品格を作るんですね。」

・「いやー、録画ミスってしまいました。どなたか撮っていませんか?観ようと思ってたんですけど、予約録画を安心してうたたねしてました。気がつくと番組終了の5分前のところでした。山本さん、ごめんよ---。」
 これは写真集の冒頭に「大往生の島」として紹介した沖家室島で民宿「鯛の里」を営む松本さんから。お父さんは70代後半のタイ釣りが得意の現役漁師で、瀬戸内の新鮮な魚貝類の刺身を食べきれないほど出してくれる宿です。先日の松本さんのメールでは、宿の前にある廃屋民家(おそらく戦前からの建物)がとつぜん崩壊したとのこと。回りは畑なのでケガ人はいなかったそうだ。実はその廃屋は、写真集カバーで93歳の柳原さんが押し車で畑に向かう写真の背景にある建物だ。

・「老いは行く道。誰も避けられない。そして死に向かっていく。その道筋に例外は無いからこそ、直視して考えなければいけないと改めて感じました。僕を含め、若者が特に考えるべき。感じるべきと。」

 時折一緒に雑誌の仕事をするライターの方は、熟練した物書きの洞察力で観てくれた。
「で、私は、山本さんの、相手との関係の結び方が、さまざまな高齢者の一つひとつの表情につながっていると思い、そこんところを書評に書こうとして、何度も破綻した。このことに間違いはないと、今でも思うんですけどね。ただ、それは一面であって、一方では、長く人生を生きてらした方々が、ある意味で神──この言い方に誤解があるとすれば、どんどん自然に近付いているということも大きい。
 いろんなことがあったけれど、生きてきた。こうして生きてきたから穏やかに「いろんなこと」を自分に同化できるというか。彼、彼女自身が山本さんを受け入れる広がりを持っているというか。それは多分今、戦火のなかにある若い人々に、「だから、生きていてほしい」という思いにつながっていくというかね。
 つまり、撮影する山本さんの一方的な作品、ないしは、一方的に関わって相手が答える関係性ではなく、双方がシンクロして生まれる作品にほかならないのだということ。」

・「スゲーなあ 感心しましたョ! ただ前の山本カメラマンは世界を歩いて、 人間の真向かいに立ちカメラのシャッターをきってましたネ(その度胸と根性と迫力には感動していましたヨ~隠れフアンでしたよ)。でも 今回の老人足の裏を撮っている姿には少しショックでしたヨ。カメラマンから芸術家になってしまったように見えました~ 。あの姿で 今 を食って行かれるのだろうか? まあ 加齢美なのかなあ。昔を知っているだけに少し淋しいなあ ~」

寄せられた感想をすべて紹介できないが、心のこもった感想はありがたい。また、番組をたくさんの友人知人が観てくれたことと、番組で伝えたいメッセージをそれぞれの見方で感じてくれたことも嬉しい限りです。もっと説得力のある写真を撮らなければという気持にもさせてくれる。

 一枚の写真には、撮り手の意志が反映され、一本の番組にも制作者の意図が反映されている。ちなみに番組を制作したのはまだ30代半ばの浅井寿樹さん。元々はスティールカメラマンだが、最近はビデオジャーナリストとして活躍している。臓器移植の問題で、心臓移植直後の患者さんの力強く脈打つ心臓を、胸の穴ごしにアップで映し出し、観る方の心臓が止まるようなドキッとする番組を作っている。浅井さんの企画がなければ番組とならなかった。心から感謝したい。

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