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2018年12月 3日 (月)

沖縄タイムスか琉球新報を全国紙の代わりに月一回配達してみたら!?(2005年8月20日 山本宗補雑記帳より復活ブログ)

 初めての沖縄取材から帰ってきて、琉球新報の8月16日の朝刊に福島菊次郎さんの、「靖国神社は軍国主義の『大量殺人装置』だった」という表現が誇張ではないことを沖縄取材で実感したと書いた。

 沖縄取材での強い印象は、国民が天皇の赤子であり、命は天皇のためにあり、天皇のために死んで靖国神社に祀られることが最高の名誉であると信じ込まされた、いわゆる「皇民化教育」が浸透していたことが、沖縄県民の4人に1人にあたる12万人以上の死者が出る沖縄戦の悲劇に結びついたという、深い反省の声を戦争体験者のお年寄りたちから聞いたことだった。(本土出身軍人の死者は約6万6千人、米軍死者は1万2千人以上)

 わずか60年前、本土の日本人同様に沖縄の男も女も、誰もがそう信じて疑わず、日本軍(皇軍=天皇の軍隊)と共に戦い、共に避難し、あげくは日本軍に騙され、切り捨てられ、食糧を横取りされたり無惨に殺され、圧倒的な米軍の前に放り出されたりした。

 本土決戦前の沖縄戦のそうした状況は、新聞、本、インターネットなどの情報からわかっているつもりだったが、想像力の欠ける自分には現地での実感体感作業が必要だった。実際、自分は沖縄戦の悲惨さをあまりにも知らなすぎたことを実感した。

 私が八重山諸島で取材した「戦争マラリア」では、軍命によるマラリア蔓延地域への強制疎開で、16884人の住民がマラリアを発病、少なくとも3647人がマラリアで病死した事実が好例だろう。戦争マラリアの生き残り取材については後日に雑記したい。
 
 もうひとつは、沖縄の地方紙(沖縄タイムスと琉球新報)の視点が力強く新鮮で、健全だなと感じた点だ。私は東京都内に住むいまは毎日新聞を購読。暗室のある田舎の信州では、地方紙では滅多にない国際面を2ページ持つ信濃毎日新聞を読む。

 実際、読者の声は沖縄県民の声をストレートに伝えていて、全国紙のようにオブラートにくるんだようなものと異なる。いくつかの例を引こう。(注:引用文は全文ではなく全体の一部)

 「鉄の暴風が去って六十年の歳月が流れましたが、今なお沖縄の土地の大半は米軍基地が占め、基地がある故に発生するさまざまな事件が起こっています。東洋一とか極東一といわれている沖縄の基地は、出撃、通信、訓練、偵察と分けられ沖縄全体を完全に要塞化しているような感じがします。」(7月24日付け沖縄タイムス、嘉手納町の女性) 

 「私立青山学院高等部の英語の入試問題に、元ひめゆり学徒が体験した沖縄戦の証言を「退屈」したと英文を記述し、出題したことは言語道断で、甚だ軽率な発言であり、元ひめゆり学徒隊員に対するぶしつけな態度でモラルに欠けていて無礼である。」(同沖縄タイムス、那覇市の75歳男性)

 「小泉内閣の大臣や幹部には、南京大虐殺、「慰安婦」問題などはでっちあげであり、先の戦争は侵略戦争ではなかった、と主張する人物がいる。前述の中山文科相、町村信孝外相、安部晋三氏ら。彼らは例の「つくる会」と全面的に提携して、歴史的事実を書く教科書を偏向教科書として攻撃しているのである。このような政治家がいる限り、韓国、中国、近隣諸国との友好平和は進展しない。」(6月22日の沖縄タイムス、那覇市の76歳男性)

 そこで提案したいのが、全国紙(朝日、毎日、読売、日経、産経)と沖縄の新聞を差し替えて読者に配達するシステムだ。毎月一回でも、全国紙の読者宅に沖縄タイムスか琉球新報が代わりに配達されることを考えてみてはどうだろうか。そうすれば、正常な住民生活の邪魔となる米軍基地問題の記事から、平和憲法改悪の怖さまで、本土生活者でも気づくことになると思われるからだ。沖縄独自の文化伝統に関する記事から、遺族が何十人と名前を連ねた死亡・葬儀告知欄も新鮮に感じられること請け合いだ。

 沖縄県民の視点と自分の視点の大きなズレに気づくことが貴重だと信じる

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