9・23さようなら原発!全国大集会~川内原発再稼働するな!フクシマを忘れない!
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真夏のような暑い日ざしが照りつけた亀戸中央公園。「怪しいデング熱」によって、代々木公園から会場が変更となった。
東京新聞が「脱原発まで行進」の写真見出しを付け、一面トップで大きく報道したものの、朝日新聞は本紙(14版)で一言も掲載しなかった、16000人が全国から参加した脱原発集会とデモ。40点のフォトルポで紹介します。(当日のプログラムは主催者ホームページでどうぞ。ただし、登壇順は入れ替えがあり、プログラム通りではありません)
「安倍内閣は亡国内閣だといっても過言ではありません。安倍首相の出鱈目な政治を私たちは許すことはできない。いま朝日新聞に対する攻撃が執拗きわまりないことになっています。朝日の報道を誤報だといってます。しかし、現場の最高司令官の吉田所長が950人の部下がどこに行ったかかわからなかったことは事実です。このように原発事故は収拾つかない事態をもたらします。それを東電は、電力会社は再稼動に向けた神話を作ろうとしている。
昔マスコミを批判したのは軍部でした。今、マスコミが脱原発のマスコミを叩こうとしている時代に入っています。原発は根拠もなく安全といったけれど危険、安いといったけれど高い、必要だといったけれど1年稼動しなくても平気だ。このようなペテンがはっきりしています。もう原発はいらない。これを明確にしていきたい。今日はこの下町で一緒に行動してがんばりましょう。この後もがんばりましょう」
大石又七さん(第五福竜丸と大石又七さん・原発事故とビキニ事件のつながり)。
「ビキニ事件からわずか9ヶ月で日米政府は政治決着を図り反対運動を握りつぶしました。その結果、437基の原発も(世界中で)作り続けられました。2010年調べです。核実験に反対する運動はタブーとなり、内部被曝の勉強も研究も半世紀以上ストップしたままです。福島の事故後、ビキニ事件当時と同じように右往左往して、少しも進歩していません。
誰がなぜ地震大国である日本に導入したのか。反対する人たちが大勢いたのにその人たちを押しのけて導入した政治家は大勲位をもらい、原発事故後は顔も出しません。
ビキニ被爆者として調べているうちに米国の重要な資料が出てきました。政治の裏が見えてきました。ビキニ事件の内容を知らない現代の人、未来の人に伝えようと三冊の本にまとめました。
本当のビキニ事件と放射能の怖さを知ってください。核兵器の放射能も原発の放射能も同じものです。おそろしい放射能を抱え込んでいる原発も、核兵器も絶対反対です」
橋本あきさん(原発いらない福島の女たちの会)。
「父は大酒飲みでした。軍国少年がそのまま年老いたように人生を送ったのが父でした。国や政府のいうことに物申すことはとんでもないというのが父でした。若いときの私はそんなもんだと思っていました。
戦争と原発はいらないと大きな声でいえます。大飯原発判決が出たときに、国富という言葉が出て、私は新な喜びを感じました。「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」。まさしく福島は国富の損失の真っ只中にあると思います。
田中正造さんのいう、「真の文明は 山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし」、これこそ政府官僚には必須科目として学んでほしいと思います。子供にも田中正造さんのいうことを人間の基本だと教える時期だと思います。
いま生きている土水空気が壊され続けています。いま壊さなければならないのは日本政府のいうごまかし、嘘です。3年半過ぎても、東京電力の福島第一原発事故の被害(の実情)をもっと広げ、原発再稼動なんてとんでもないとあきらめずにつながって行きましょう」
広瀬隆さん(左)と向原祥隆さん(中、反原発・かごしまネット)。右端は手話通訳の方。
広瀬さんのコメント:「安倍のやっていることは人事だけなんです。彼らは追い詰められているんです。
九州電力も日本中の電力会社も破綻のがけっぷちにいます。来年中に一基でも動かそうとしている。九電は金のためになりふり構わずやっています。次が第二の候補の高浜を動かそうとしている。九電は止めている原発を管理するだけで825億円かけている。日本全体では1兆2千億円かけています。彼らは火力の電気を使って燃料を必死で冷やしているんですよ。原発を止めたから火力の燃料費が上がったなんていってますが、嘘。
九電は再稼動対策に3000億円をかけている。北海道電力も似たような状況に追い詰められて、7月に家庭向けは17%、企業向けは22%上げると言った。去年値上げしたばかりですよ。北海道民は電気料金値上げに75%が反対している。彼らは追い詰められているんです。それが再稼動の裏にある真相です」
向原さんのコメント:「川内で事故が起きたらどうなるか。偏西風であっという間に鹿児島は終わり、九州は終わり日本中が終わります。九電と規制委員会と政府が一体となって推進委員会となっています。安倍首相は審査中の7月18日に九電の’前)松尾会長とご飯を食べ、川内は何とかするよと言いました。規制委員会を骨抜きにしたと暴露したわけです。
来月9日から15日から住民説明会を5ヶ所でやる。アリバイ工作です。薩摩川内市は臨時議会をやる。12月県議会で政治日程が終わる。1月再稼動。そういったスケジュールを描いています。
5月に地元紙が世論調査をしました。59%が反対です。鹿児島の人は反対する人が圧倒的に多い。姶良市議会は圧倒的多数で再稼動反対、廃炉の決議までしました。自治体単位の動きがどんどん広がっています。推進派を取り巻く包囲網は厚く、包囲網は縮まっています。
今生きている私たちの唯一の責任は、未来を開かれたものにすることです。未来の世代のためにも未来を開いていかなければなりません。鹿児島県民で放射能の怖さを知らない無知蒙昧な民はいない。権力の脅しに容易く屈するような臆病者はいない。全国のみなさんと共に肩を組んで川内原発の再稼動反対に追い込んで行きましょう。9月28日、鹿児島市で史上最大の反対集会をやります。ぜひ足を運んでいただきたい。来れない人は東京で命をかけて反対の声を上げてほしい。私たちは一歩も引きません。川内原発再稼動やめろ!」
韓国からパク・ヘリョンさん(脱原発新聞共同代表)。
「セウォル号の沈没事故は偶然ではなく、資本と権力の癒着による弊害が現れた事故だと国民はわかっています。この事故を通して政府は国民の生命や安全ではなく、お金、利益を重要視していることがわかりました。
福島事故の後、韓国政府は残念な方向に歩みを進めています。現在24期の原発があり、5基が建設中か試験中で4基が計画中です。2013年、パク・クネ政権は国家エネルギー計画を発表し、原発を今よりも増やして2035年には41基にする計画を発表しました。
政府はサンチョクとヨンチョクに原発を建設する計画を発表しました。サンチョクの85%の住民は反対を表明しています。住民投票で白紙化を勝ち取るでしょう。しかし、政府は住民投票は法的に無効だと主張。これは韓国の民主主義の根幹を揺るがす危険なものです。このような反民主主義的な政府の立場は核政策にも反映されています。
私はここで日本の国民は福島事故を絶対に忘れていず、再稼動を防ぐことができるだろうという現場を目の当たりにしています。脱原発という共通の目的をもって私たち日韓の原発運動は今後も一緒に歩み続けることでしょう」
台湾からチェ・スーシンさん(台湾緑色公民行動連盟事務局長)。
「311以降、台湾の運動は再び盛り上がりました。2013年3月、22万人が集まって原発廃止への大きな力を示しました。今年の7月27日、私たちは台北駅前の主要道路に5万人が横たわって占拠しました原発はいらない、住民は自分の未来を決めることができると。翌日、政府は争点となっている第四原発の工事停止を正式に発表しました。
私たちが立ち向かっているのは同じ敵です。原発を推進する勢力は台湾にまた現れるでしょう。権力を持つ原発擁護者たちに悪夢を再現させてはなりません。みなさんが非協力、非暴力の精神で立ち向かうことを願ってやみません。行動で示すことしか新たな選択のチャンスはありません。原発がこの世からなくなり私たちが勝利するまで、全世界の反原発の人と団結していきましょう。原発ゼロ!」
大江健三郎さん。
「原発の電気なしでは偉大な事業は成し遂げられないと申す人もいますが、それは嘘です。原子力によるエネルギーは必ず荒廃と犠牲を伴います。3・11、あの大きい事故から3年半たって、政府は地域住民の防災計画、十分な避難計画なしに川内原発の再稼動を進めています。福島事故が東日本を人間の住めない土地にしてしまう可能性があったことは、そのようにおそろしい大事故であったことは吉田調書やみなさんがよくご存知のことです。 (注:斜字の部分は生原稿が見える部分と重なる)
安倍首相にその反省はなく、各方面での様々な強行されてゆく政策に彼がどんな反省もないということは明らかです。非常に大きい安倍批判が起きていることは確実です。直後のように強かった国民の抵抗の声は弱まっているのではないかという外国の報道があります。批判的な観測と不安が私たちの中にあることはいわなければならないことです。~~悲観的な感情というものが、安倍に強健的、反憲法的な、われわれに対する侮辱ともいえる政策を行わせているのではと思います。
中野重治さんは次のように言われました。「くどくなるけれど、もっとも浅はかなオプティミストたちが戦争をしかけたがっている以上、私たちペシミストは断固として進まねばならないと思います」
集団的自衛権の閣議決定があり、原発の再稼動へと安倍政権がやっていることは真っ直ぐにつながっていて、アメリカを中心とする新しい戦争へと???に日本人が協力させられようとしていることです。その現状に対し、中野さんの言葉を思い出したい。私たちペシミストは断固として進まねばならないと思います。
みなさんのようにペシミストでない、はっきりした意見と、3・11の記憶を持っている人がこのように大きな仕事をされています。私たちペシミストは断固として進まねばならないと思います」
澤地久江さんのスピーチ。「日本は原発は即刻辞めるということを安倍さんが総理大臣のうちに言わせたい。玄界灘の向こう側、韓国の原発に事故があったら、日本はただでは済まないというのが原発の性格です。世界中が原発を辞める方向に進んでいくべきだと思います。もっとみんなが集まらなければならないと思います」
「今日の集会に16000人が集まりました!」(司会の木内みどりさん)
閉会のあいさつは落合恵子さん。
「根っ子には命があることを私たちは忘れてはならない。
私たちは知っています、原発ゼロでも暮らしは何の問題はないことを。金儲けをするやつらだけが困るんだと知っています。あの吉田調書をちゃんと読めば、一度事故が起きたら専門家ですら右往左往することを私たちは知っています。福島の方々、ふるさとに帰れず我が家に帰れず、そこに残っても苦しんでいる人が10数万おられることを知っています。
火山の噴火があったら何が起きるのか。この国は再び民を捨てていこうとしていることを私たちは知っています。怒りと共感と痛みへの想像力を忘れずに、もう一度怒り直そうじゃないですか。こんな国を子どもたちに残してはいけないと、私たちは動き続けることが大事だと自分に語っていきましょう」
デング熱怖いですよね。でももっと怖いのは天狗になった政権ですよね。私たちにできることを全部やって、とにかく川内再稼動させない。福島の人と一緒にやること。疲れたときはちょっと休むのもペシミストの一つの方法だお思っています。疲れたらちょっと休んでみんなと歩いていきたいと思います」
デモ撮影のため、李政美(イジョンミ)さんがデモを送り出す歌を聴く余裕がなかったことが残念だ。彼女の腸に響く歌声を聴きたい人はビデオジャーナリスト三輪祐児さんの動画をご覧ください。
「原発いらない福島の女たち」の武藤類子さんたちは、この集団で行進している。
デモでお会いできなかった富岡町から避難している木田節子さんの手作りプラカード。この日のために用意したこのプラカードを手に、娘さんと一緒に参加したとのことです。ご本人から写真を送ってもらったので、紹介しておきます。
街宣車で吉沢節をうなり続ける希望の牧場の吉沢正巳さん。
「ぼくらの町はチェルノブイリだ。3・11終わってないだろう。今度は東京の番だよ。安倍総理の原発再稼動によって福島原発の二の舞をまた繰り返すんですよ。放射能だらけ。大勢の避難民の無念の気持ち、電気を使った東京のみなさん、なんでわかってくれないんだ。東電のせいで、国のせいで、自民党のせいで、僕たちの町は終わってしまった。東京のみなさんがわかってほしい。
安倍総理大臣の原発再稼動の圧力に負けてはならない。あの能天気、無責任に負けるわけにはいきません。国のいうことには絶対に従いません。牛たちは原発事故の放射能汚染の生きた証拠としてこれからも飼い続けますよ。原発爆発放射能、原発安全お終い。原発の時代を乗り越えよう」
あきらめずに前に進む参加者のみなさん、主催者のみなさん、お疲れ様でした。
◯取材後記
ほぼ二ヶ月ぶりの脱原発デモの撮影となった。写真展が週末に重なることなどで、脱原発などの大きなイベントの撮影ができなかったためだ。快晴と大勢の参加者に勇気づけられ、楽しく気持ちよく撮影できた。「怪しいデング熱」による会場変更が、デモコースの新鮮さを増してくれたこともある。デモが延々と終わらないような印象さえあったほどの盛り上がりだった。集会の動画は三輪さんのYoutubeでご覧ください。
◯取材活動支援のお願い
フォトジャーナリスト 山本宗補 プロジェクト支援
ジャーナリストの活動を支えてください←←支援方法など詳細があります。よろしくお願いします。
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