憲法9条の死文化を狙う安倍首相による解釈改憲に反対する(閣議決定当日) The Day Of NO RETURN.(Near Death of Article 9)
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来年で敗戦70年となるいま、兵隊の命も民間人の命も財産も犠牲にして恥じることのなかった日本の軍国主義。近隣諸国にたいする侵略戦争を認めようとしない安倍晋三政権だからこそ、単なる解釈の変更により、冷徹に9条もろとも平和憲法を葬り去ろうとすることができた。
安倍内閣による閣議決定の意味はそういうことだ。戦争の反省がない愚かな議員を数多、国会に送り出した全国の有権者の責任が問われ、そのツケは原発再稼動を許し、処分できない核廃棄物を未来世代に永劫に残すことと根底で完璧につながっている。
◯7月1日(火)閣議決定された日の官邸前
安倍自民公明連立政権は、この日の夕方、臨時閣議で集団的自衛権行使を容認閣議決定をした。
官邸前は午前中には第一弾の抗議が行われ、閣議決定前の午後3時からの抗議行動が、「戦争をさせない1000人委員会」から呼びかけられていた。当初は前日ほど若者が多くない印象を受けた。しかし・・・
「憲法守れ!9条守れ!解釈改憲絶対反対!閣議決定絶対反対!」
「集団的自衛権はいらない!戦争いらない!戦争いらない!いらない!閣議決定いますぐ中止!中止!」
「ぼくらの声を聞いてよ晋三!ぼくらの声を聞いてよ 那津男! 安倍さんいらない!山口もいらない!ストップ改憲!ストップ改憲!憲法壊すな!憲法壊すな!」
昨夜は開放された国会側の歩道は機動隊により封鎖され、参加者の動きが封じられた。官邸前の抗議は歩道上での身動きが取れなくなった。これまで市民を締め出すことしかしなかった国会記者会館。歩道からあふれる参加者で駐車場は開放同然となった。
「閣議決定 絶対反対!閣議決定 絶対反対!閣議決定 絶対反対!9条壊すな!9条壊すな!9条壊すな!」
国会正門前で、毎週金曜日に「希望のエリア」を主催する紫野明日香さんと娘さん。
かつての旧日本軍による性奴隷被害者となった中国の郭喜翠さん(昨年死去)の写真を掲げ、自衛隊の海外派兵が侵略の歴史と重なることを意識した参加者もいた。
「安倍は辞めろ!安倍は辞めろ!安倍は辞めろ!いますぐ辞めろ!」
暗くなるとともに、コールが一気にヒートアップしてきた。
「安倍は辞めろ!安倍は辞めろ!安倍は辞めろ!」
「安倍を倒せ!安倍を倒せ!安倍を倒せ!」
「独裁止めろ!独裁やめろ!独裁止めろ!」
「ファシストくたばれ!ファシストくたばれ!ファシストくたばれ!」
「ファシストうせろ!ファシストうせろ!ファシスト失せろ!」
「やつらを通すな!やつらを通すな!やつらを通すな!」
ドラムを一心に叩き続ける男性。激しいコールはドラムビート抜きには拡散しない。
「憲法壊すな!憲法壊すな!憲法壊すな! 9条守れ!9条守れ!9条守れ! 安倍は辞めろ!安倍はくたばれ!安倍を倒せ!」延々と怒りをこめたコールが続いた。
二夜続けて参加する大学生たち。
午後10時を回っても、「改憲反対!」「9条壊すな!」「安倍は辞めろ!」「戦争反対!」「平和を守れ!」「憲法壊すな!」「ファシスト許すな!」「ファシストくたばれ!」「安倍は辞めろ!」コールはトーンダウンしない。
安倍政権の暴挙に静かに抗議の意思を示す若者も多い。
大学生の山本さん。この日のために、9条が危機に瀕していることをアピールするグッズを持参。創作活動が好きという山本さんは、秘密保護法反対や反原発行動にも参加してきたという。
二夜連続の抗議行動をテンション高く、保ち盛り上げたのは若者たちだった。今後の抗議が熱く続くのかどうかは、彼ら次第でもある。
◯取材後記:
6月30日の抗議をまとめた第一弾はこちらをクリック。→「憲法9条の死文化を狙う安倍首相による解釈改憲に反対する(閣議決定前夜) Abe's attempt to kill the antiwar Constitution 」
「これは解釈に名を借りた憲法の破壊、憲法の無視」だと保守派憲法学者の小林節慶大名誉教授が言い切っている。「9条破棄に等しい暴挙」と東京新聞は社説で非難した。朝日新聞でさえ、「憲法が骨抜きになった」と批判記事を展開している。
タイのように、日本にも憲法裁判所があれば、安倍首相は憲法違反を犯した罪で即刻失職となるはずではないか。首相自ら憲法違反を起こしたのだから、閣議決定は憲法違反だとの訴訟が一気に始まることは間違いない。
名古屋高裁で、「航空自衛隊のイラクでの活動は武力行使を禁じた憲法9条1項に違反する」違憲判決を獲得して勝訴した名古屋の川口創弁護士は最近のブログでこう記している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「10年前に、仮に9条の「解釈改憲」を行って「集団的自衛権行使」が可能だとしてしまっていたら、日本の自衛隊はイギリス並みの派遣となった可能性は十分にあります。
イギリス兵はイラクで179名が命を落としています。日本の自衛隊も、戦争の前線に送り込まれ、多くのイラクの市民の命を奪い、また、自衛隊員の多くも命を奪われた可能性は否定できません」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
憲法を正式に改正せず、一内閣が、一首相が自衛隊の海外派兵を判断することになる意味は川口弁護士の指摘するとおりだ。民主主義の無視であり、憲法の根本精神となっている主権在民を無視する行為にほかならない。徴兵される可能性が出てきた若者たちを含め、子育て世代も一緒に、「ファシスト失せろ!」「ファシストくたばれ!ファシスト通すな!」と叫ぶ必然性がそこにある。
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