写真ルポ「6・1官邸・国会前大抗議・川内原発再稼動やめろ」
真夏のような暑い日だった。首相官邸前と国会前で開催された、炎天下の反原発大抗議を写真と登壇者のスピーチの一部で報告し、全国の脱原発を求めるみなさんと共有したい。
(菅直人元首相)
「今水をかけて冷やしているから大丈夫と(東電の)広瀬社長が言うので聞いてみました。格納容器の底にどのくらい水があるのか聞きました。わずか60センチですよ。燃料棒は頭が出ているのではないかと聞いたら、わからないと言います。水が確実に漏れているから60センチより水に上にたまらない。国内ばかりか海も含めて外部に出している。原発事故はいまも続いているということです」
(城南信金吉原理事長)
「安倍首相は日本を取り戻すといってますが、ならばなぜ国土を失ってしまうような原発を稼動させようとするのが理解できません。取り戻すどころか日本を失っています。いま原発を止めると日本経済は必ず再生するんです」
「原発は一つもメリットがない。原発を動かし続けると膨大なツケが必ず回ってくる。原発のコストは長い目でみれば膨大な費用が何万年もかかる。原発のコストが安いなんてのはうそです。国家ぐるみの膨大な粉飾決算です」原発は政官財の癒着の問題です」
今大地晴美さん(敦賀市市議)
「敦賀市の市議をしている今大地です。問題児といわれてきました。福井地裁の判決は感動的でした。裁判長の顔を見ながら判決を聞きました。涙が止まりませんでした。当たり前のことを当たり前のことばで判決を出してくれました。立地地域住民は見ざる聞かざる言わざるでないと生きてこれませんでした。中島哲演さんは、原発立地自治体は原発植民地だと言って来ました。逆らえません。私たちは人らしく生きることを奪われて生きてきたのです。
これまでは司法も見ざる聞かざる言わざるでした。司法に生き返るチャンスを与えたのも5月の福井地裁の判決です。この判決文が各地での訴訟の力となるでしょう。全国の耐震基準値は偽装です。これまでの地震の平均値で基準値を決めているのです。危ないの一言です。判決はこのことにも言及し、起こらないとは絶対にいえないと言いました。
原発立地自治体の住民も原発に勤める人も家族も、まだ声を上げられない人が大勢です。お願いです。原発は危ないと声に出していえるような反原発や脱原発の運動をみなさんと共に作っていきたいと思います」
(注:敦賀原発、もんじゅ、美浜原発、大飯原発、高浜原発の画像は拙ブログでごらんください。→日常に溶け込んだ原発:福井県の原発銀座(上)。日常に溶け込んだ原発:福井県の原発銀座(下)。若狭原発銀座で元原発作業員(下請け労働者)・斉藤征二さんの話を聞いた。)
「企業が設けるために人を殺していいのかが問われています。福井地裁の判決は運転を差し止めしました。裁判官の良心宣言です。最後の勇気です。私たちの運動が裁判官の良心をゆり動かしてきたのです。無駄な運動はありません。~安倍首相は原発も武器も輸出する。こんなめちゃくちゃな政治でも自民党は誰も反論しない。裁判官が勇気だしているのに自民党には勇気がない。自民党は死んだのか。美しい国を踏みにじっているのはお前たちではないか」(鎌田慧さん)
地元の川内原発の再稼動を絶対に止めるべく登壇した川内前議員。握手するのは反原連の進行役、はなさん、
(後藤政志さん)
「科学的とはわかったこともわからないことも隠さないこと。朝日がやっている吉田調書の報道を隠すことは倫理的に犯罪ですよ。私は格納容器の設計者だったが、(福島の)格納容器が壊れた原因すら、日本でも世界でもわかっている人はいない。それでも原発再稼動というのはありえないですよね」
(茨城県)原発事故からくらしを守るネットワーク代表
佐藤和良さん(いわき市議、福島原発告訴団副団長)
「いまも一日2億4千万ベクレルの放射性物質が大気中に拡散されています。汚染水が外洋に放出されています。トレンチから高濃度の汚染水がもれています。海の汚染はこれからたいへんなことになります。
14万人が避難生活中です。自死者が増えています。3年3ヶ月も仮設やみなし仮設で生活する自分の姿を考えてみてください。再稼動を認めたら第二第三の福島が続くということですよ」
告訴団が告訴した33人全てが不起訴になった。原発事故の責任者が誰一人責任を取らされていないじゃないですか。これが法治国家でしょうか。国会の審議は形骸化されている。憲法は骨抜きにされようとしている。すでに90人のこどもたちが小児甲状腺がんに罹っている。様々な疾患が人びととを蝕んでいます。国民がその落とし前をつけるしか、法治国家としての再生はありません」
馬渡耕史さん(鹿児島の病院勤務、全日本民医連副会長)
「避難する30キロ圏内には13000人の入院患者と福祉施設の入居者がいます。230の病院があり患者さんがいます。彼らは避難の対象にさえ入っていない。川内(せんだい)からの最終的避難先は鹿児島市です。川内よりも風下が鹿児島市です。避難計画では車一台に二人乗って逃げなさい。9割は29時間後には避難できているとしています。病人は入っていません。おとといの鹿児島県のシュミレーションでは、5キロ圏内の人が先に逃げ、それ以外の人は残っていなさいという計画です。絶対ありえない。こんな中で川内の再稼動を許すことはできない。
九電を参ったといわせないといけません。彼らは追い詰められています。川内で最初に再稼動させるなんて許せません。全国の原発に先駆けて川内を再稼動する義務があるといっている鹿児島県知事も追い詰められています」
「安倍首相にむかついてます。武器と原発を売るために税金使って世界を回ってますね。許せますか。最悪の死の商人ですよ。原発輸出するとその国でプルトニウムできますね。原発輸出は核兵器の材料を輸出することと同じですよ。広島と長崎を経験し、福島も経験したのが日本人ですよ。核兵器の材料売ってどうします。人類に対する罪ですよ。人類史上はじめてくらいの罪です。一緒に止めましょう」
(脱原発世界会議の吉岡達也さん)
・取材後記
この大抗議行動の主催は首都圏反原発連合でした。毎週金曜日と同様に、官邸前にも参加者が集まり、原発再稼動反対のコールをあげていましたが、このブログの写真の大半は国会正門前とその周辺での撮影であることをお断りしておきます。
また、登壇者の半数ほどしかここでは紹介できていません。登壇者全員のスピーチはビデオジャーナリスト三輪祐児さんの動画がおススメです。
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