標高888mの高原。花と畑とゲルと。内田ボブ&長沢哲夫の「春風めぐる」歌と詩と。
(写真はクリックすると拡大します)
長野県と群馬県にまたがる活火山浅間山。その南山麓の高原地帯がわが田舎。5月の今頃が山桜は満開で、近所のしだれ桜も満開。空気は澄み切り、緑はあふれ、一年中でもっともさわやかな季節だ。豊かな自然の恩恵で、人は身体も精神もいやされ、生きるエネルギーを頂戴する。暗室小屋の周りの畑で咲く花を紹介しよう。
ちょうど5月3日(憲法記念日)には、小諸市のエコビレッジで内田ホブさんと詩人の長沢哲夫さんのジョイントコンサートが開かれたので、その模様も紹介したい。
・(トカラ列島の火山島、諏訪之瀬島に住む長沢哲夫詩集「足がある」から
「ぼくたちは地球を愛しているか 地球がぼくらを愛しているほどに」
この小さな土の上に
この小さな緑の中に
ぶらぶら行こう
思い おだやかに
わずかなものを手に
この
小さな土の上に
この小さな緑の中に
ぶらぶら行こう
心静かに
心軽やかに
(以下は小諸エコビレッジの写真に続きます)
写真はないが、二年目のキウイはメス木はぐんぐん伸びている一方で、オス木は一度枯らしてしまったので、苗木がまだ小さくて頼りない。
野原ではおなじみのつくしだが、畑には大敵。スギナ草といえば地下で繁茂し除草剤を使わないと退治できないほどしぶとい。
◯野菜畑
あわただしく準備して苗を植え種をまき終わった家庭用菜園。残雪はほとんどない浅間山が奥に見える。
標高は900mに近い高原のため、5月に入っても遅霜がある。スイカの畝は寒冷紗で覆った。手前はナスとピーマンの植えたばかりの苗。トマトときゅうりも植えた。
手前の細長い畝はとうもろこし用。この後、平らにならして、とうもろこしの種を植えた。早ければ8月のお盆までに収穫できるかもしれない。
ワラを敷いた畝がとうもろこしをまいた後。ペットボトル風車を10数本、畑のあちこちにモグラ対策用に立てた。風車が回ると振動が地中に伝わって、モグラが嫌がるらしい。
◯内田ボブと長沢哲夫の詩と歌の旅「春風めぐる」ツアー(小諸エコビレッジ)
ナーガこと長沢哲夫さんの詩の朗読。飾りのない、「ぼくとつ」そのもの。
・(冒頭で一部を紹介した長沢さんの詩「ぼくらは地球を愛しているか 地球がぼくらを愛しているほどに」つづき)
水も空気も地球のもの
この血も肉も地球のもの
この息 この心も地球のもの
気をつけろ
原発でさえ地球のもの
殺しまくるミサイルも
そっと息を引き取る鳥たちも
砂漠をわたるコガネ虫たちも
どかどかと走りすぎてゆく車たちも
ほえまくる電車たちの黄色い眼も
高層ビルを埋めつくすコンピュータたちも
銀河系の渚をころがる
青い火のかたまりの
地球のもの
ぼくらは地球を愛しているか?
地球がぼくらを愛しているほどに
(つづく)
内田さん(右)と長沢さんが、「春風めぐる」ツアーを開始して17人になるという。
長沢さんは1942年生まれ。1972年に諏訪之瀬島で移住。内田さんは1952年生まれ。長野県大鹿村在住のシンガーソングライター。15歳から旅を始め、世界を回り歌う。旅を続行中。
お二人の「春風めぐる」詩と歌の旅は4月12日に都内東村山でスタートした。残すところは、5日が長野県戸隠、10日は群馬県高崎市、11日は埼玉県秩父市、そして5月13日の三軒茶屋「カフェ・オハナ」が一月のツアーの締めくくりとなったいる。
・内田さんの最新CD「いのちの道の上 NO NUKES ONE LOVE」に掲載されている内田さん紹介文は鎌中ひとみ監督によるものだ。収録されている代表曲は「おおチェルノブイリ」。「原発葬送歌」という曲も収録されている。CDジャケットには、内田さんの詩のようなエッセイが載っている。以下、冒頭だけを紹介しよう。内田さんの生きる哲学が伺える。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
わたしは小さな島である
野山にさえずる、小さな島である
核被爆者の長い列は、焼けただれ、踏みにじられ、
なぎ倒された、生きとし生けるものの長い列へと連なっている
非戦を生きる。
非核を生きる。
平和を生きる。
恐れるな!そのことによって、
私たちにもたらされるリスクは、
私たちを生かすためのリスクだ。
(つづく)
◯まとめの代わりに
久しぶりの田舎でのあわただしい二日間。半分は久しぶりの農作業。内田さんと長沢さんの「春風めぐる」は、高原の広い大地に建てられたゲルという最高の空間での、ぴったりのすばらしいものだった。闘いつづける活力を頂戴した。5日、6日と福島県の取材に出かけてくる。
◯追記(5月7日)
5日、6日と足早に福島県の取材をしてきた。中通りの郡山市郊外、浜通りの南相馬市、浪江町、富岡町で取材してきた。福島県も多様な新緑が美しく、水田地帯は田植えの準備に余念のない季節を迎えているが、浅間山山ろくの我が田舎の愛すべき里山風景を見るにつけ、原発事故の罪深さをひときわ実感せざるを得ない。
原発事故から3年以上の歳月が経っても、福島第一原発周辺自治体の住民の避難生活は続いている。帰還の目処は立っていない。廃炉できるのかさえも定かではない。夜景にボオッと浮かぶ東電福島第一原発と、ゴーストタウンと化し、信号機の明かりのみが点滅する周辺の光景は、何が原発事故によって奪われたのかを静かに物語っている。
原発から10数キロ離れた川内村の高台から見る福島第一原発と周辺の夜景。5月6日撮影
「ぼくたちは地球を愛しているか 地球がぼくらを愛しているほどに」(長沢哲夫)
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