「7・16 『17万人』さようなら原発」大集会&デモ 170000 people gathered for Good Bye Nuclear Power Plant rally & demonstration in Tokyo on July 16.
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主催者発表17万人、警察関係者発表で7万5千人。日本社会の変革が本物となれば、歴史を振り返った時には、おそらく大きな「転換点」となった主権在民の強い意思表示として記録されることとなる「さようなら原発」大集会とデモ行進だった。一大イベントのほんの一幕を紹介し、「脱原発」の大きなうねりを共有したい。
小室等さん。「誰かから何か頼まれても、あっしには関わりのないことでござんすと冷たい素振りをみせながら、最後には弱い者のために自分の命をかけて戦い、終わるとその土地を去ってしまう。木枯らし紋次郎という人はボランティアの鏡のような人だったなと思うのです」
永六輔さん。「原発に関して中山千夏さんの考え方にとても賛成しています。たかがお湯をわかすためにエネルギーの元を原子(力)に頼ることはいらないんじゃないかと言ってました」
司会進行、いわき市出身の神田香織さん。いわきなまりで野田首相に痛烈な一言。書き起こせないので割愛。「一言でいうと、『野田、お前は止める野田!』ということです!」
「現在780万の署名を集めました」「福島がどうなるか、福島の子どもたちがどうなるかわからない。このような国民の生命と財産を無視する政権には徹底して弾劾していきたい」「絶対に原発ゼロにさせなければならない。そのためにどんどん意見を言っていこう」「秋にもう一度集会をやります。まだまだやりましょう」(鎌田慧さん)
奈良美智(よしとも)さん。「何かしなくては、何ができるか悶々とした時期がありました。絵にそういう思いが自然に出ました。デモに使っていいかと聞かれ、どうぞ使ってくださいと。僕は僕なりに参加してきたと思います。あいさつだけさせていただきました。みなさん、ガンバリましょう」
「たかが電気のために、何で命を危険に晒さなければいけないのでしょうか。たかが電気のためにこの美しい日本、国の未来である子どもを危険にさらすようなことはするべきではありません。お金より命です。経済より生命。子どもを守りましょう。福島の後に沈黙していることは野蛮だ、というのが私の心情です」(坂本龍一さん)
坂本さんと鎌田さん
「福島の悲劇に学ぼうとしない政治家を二度と再び国会に送ってはなりません。それこそが私たちの未来への私たちの最低限の責任だと思います。深く心に刻んでさらに前進を続けましょう」(内橋克人さん)
「大飯の原発再稼働を許してしまった。さらに再稼働を広げていこうとしている政府に私たちは自分が侮辱されていると感じるからです。私たちは侮辱の中に生きています。侮辱の中で死ぬほかはないのか。政府の目論みを打ち倒さなければならない。しっかりやり続けましょう」(大江健三郎さん)
「コンクリートから人へと言った人たちが、命より原発を選んでしまったのです」「自らの存在にかけて闘うことをやめません。原発いりません。再稼働させません。原発輸出許しません」
「私たちは性懲りもなく原発を推進する人たちに、本当の民主主義とは何なのかを教えて上げませんか~原発推進を、独裁を挫折させてやろうじゃないですか」(落合恵子さん)
「私たちがいまこれをやっているのは未来のためだと思います。未来をつかんだ人はいないけれど、今生まれた赤ちゃんが親になって、さらにその先につながる命があるわけです。核に汚染されて命が細々を続いている地球にはしたくない」「いま生きている私たちが死ぬ時に後悔がないように(澤地久枝さん)
「満90歳になりました。冥土の土産にみなさんがこんなにたくさん集まった姿を見たくて来ました」「これまでも日本で政府に文句を言う自由が奪われた時代があった。人間が生きるということは、自分以外の人の幸せのために生きていくことだ。悪いことはやめさせるよう政府に言い続けよう」「虚しいと思う時があってもそれにめげないで頑張って生きましょう」(瀬戸内寂聴さん)
◯広瀬隆さんのスピーチ:「上空のヘリの一つはみなさんのお金で飛ばして正しく報道しています」「いま原発が動いていますが、これは不条理です」「日本の社会全体が子どもたちに取り返しのない罪を作っているんです。何とか止めたいんです。電力不足は全部嘘です。去年と今年でエンジン発電器は原発10基分生産されたんです。全ての企業が買ったんです」
「関西電力は若狭に抱える11基の原発の純資産の半分がなくなることを怖れているんです。関電経営者と今日の呼びかけ人のみなさんが同じテーブルについて直接交渉をすることです。条件闘争ができるはずです。私たちが求めるたった一つのことは原発を止めることです。私たちは賭けをしている時ではない」
「一日24時間、大飯3号機がフル稼働しますと、5億円の電気料金を関電は手にすることになります。広島原爆3発分の死の灰が生成されることです」「3・11以前の一人一人の考え方、価値観、いかなる生き方をしてきたのかを問い直されているのではないか」
「大飯原発再稼働は死刑判決を受けたようなものだ。住民を無視した巨大な利権構造がある。第2のフクシマにしてはならない」(中嶌哲演師)
「3・11からの日々。日本中の人人がやさしく支え合い、数々の行動を起こしてきました~一人一人が最善を尽くしてきたと思います~ほんとうによくやってきたねと自分をほめ今隣にいる人をほめましょう。明日を賢く生きるために密かにほほえみと力を蓄えましょう。それでも福島の現状はあまりにも厳しいのです」
「アメリカのジョアンナ・メイシーという人が言いました。『絶望こそが希望である』と。かすかな光りをたぐり寄せ、いまこのように青空の元に集まっています。声なき声とともにあり、分断の罠にゆめゆめ落ち込むことなく、賢くつながりあって行きましょう。共に歩んで行きましょう」(武藤類子さん)
◯デモ行進(パレード行進)
集会と併行しながら、パレード行進が3コースに分かれてスタートした。メインステージは途中から抜けだし、原宿駅から明治公園近くの「四季の庭」まで約3㌔のコースの参加者を追った。(ですから、他の2コースのデモ行進の写真はありません。悪しからず)
デモ行進スタート地点
「つちっくれ」の花さんらしい!?(未確認)
我が故郷の長野県佐久市や小諸市から、友人知人がバスで120人が参加。
◯取材中、私服の公安ともめた件:
デモの出発地点の原宿駅前歩道橋上で3人の公安がひたすら参加者団体名を書き出していた。一人分の隙間を見つけて入って撮影しはじめると、一人が私を邪魔者扱いのごとく全体重をかけて私を押し出そうとした。一度は踏ん張って、スルリと身体を交わしてできた二人分の隙間に移動してしっかり自分のスペースを確保した。3人は怒った。私はもっと怒った。「取材の邪魔するのがあんたたちの公務か!」と怒鳴ってやった。私に体重を寄せてきた公安は怒りが収まらないようだったが、3人のうちの一人が「もういい」というように聞こえた。
大の大人3人が歩道橋上で、全国から参加した様々なグループや団体の名前を書き出している姿を想像してみてほしい。税金の無駄遣いであり、馬鹿げた仕事だ。公安がいまやるべきは、東電の勝又元会長や清水前社長や東電の元幹部、現職幹部らの行状を過去をさかのぼって追うことではないのか。
会津地方の「かんしょ踊り」で「怒り」を表しながら歩き続ける兵庫県真宗大谷派僧侶後藤由美子さんたち。
ネットからダウンロードしたネコイラスト入りの「NO NUKES」を手にする女の子たち。
「未来は変えられる」の小さなプラカードを持っていた2歳の男の子。「原子力ムラの副読本はいらない」の横断幕が通過していった。
武藤類子さんがスピーチで紹介していた二本松市の関久雄さん。放射性物質で汚染された自宅の庭の汚染土を東電に返すために6月から歩いて上京した。新聞記事で読んだ記憶があったものの、詳細な事情を知らないままに、私は関さんに話しかけていた。「明日は東電本社に行きます」と話していた。関さん、たいへん失礼しました。
阪神タイガースの本拠地、兵庫県尼崎市から参加した「反核タイガース」ファン。
「赤旗」の号外を手にする女性参加者。
予想をこえる参加者に相応しく、カンパがたくさん入れられたと嬉しい顔を見せるスタッフの方。(四季の庭公園)
マントのごとく、チェ・ゲバラの肖像の入ったノボリを旗めかせる孤高の参加者。
◯空撮写真と主催者のサイト、呼びかけ人のスピーチ動画サイト
この日、JVJA仲間の野田雅也(スティール写真)と綿井健陽(ビデオ動画)の二人が、「正しい報道ヘリの会」が提供してくれたヘリコプターによる空撮を実施した。写真と動画はこちらのサイトでご覧ください。
また、呼びかけ人のスピーチ内容は、私の書き出しは一部なので、正確な内容は以下のサイトで動画をチェックしてください。
・「さようなら原発」の公式サイトはこちら。(残念ですが、呼びかけ人スピーチの引用は、はしょり過ぎで問題ありと思います)
・武藤類子さんのスピーチ
・中嶌哲演師のスピーチ
・呼びかけ人全員のスピーチが見ることができる動画
参加者のみなさん、酷暑の中をたいへんお疲れさまでした。
◯取材活動支援のお願い
フォトジャーナリスト 山本宗補活動支援
ジャーナリストの活動を支えてください。
・郵便振替口座(加入者名 山本宗補)
00180-1-572729
・銀行振込
城南信用金庫
店番036 普通口座 ヤマモトムネスケ 口座番号340130
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コメント
素晴らしい内容です。上から順繰りに写真を見せていただいて大江さんの写真あたりで涙してあとは涙がとまらなくなりました。澤地さんあたりはご自分の戦時体験が頭にあるんでしょうね。こんなカタチで一般市民が集えるなんて我々の世代には考えられなかった。
悪い方向には行っているけど人間捨てたものではない、の感深し。山本さんありがとうございます。
投稿: 岩名 雅記 | 2012年7月22日 (日) 07:33
岩名さん
フランスから熱いメッセージをありがとうございました。
官邸前の抗議行動も含め、東京だけでなく、全国各地で脱原発デモが続いています。
有権者の民意、総意が踏ん切りのつかない政治家の背中を押す効果が出るような具体的な成果が上がるようにならないと、と思っています。
そこには小選挙区制という障害が大きく立ちはだかっているようです。
投稿: 山本 | 2012年7月22日 (日) 10:47
デモの廻りをうろつく公安にはほんとにうんざりします。もめていた時、歩道橋から写真を撮っていました。多分、これですよねぇ。
(URLは削除)
おつかれさまでした。
投稿: baucomJournal | 2012年7月22日 (日) 11:16
臨場感あふれる写真の数々。大江さんのスピーチの原稿もはっきりと見えます。前回もそうでしたね。有名な方も無名な一人ひとりも思いは原発をなくそう!です。ありがとうございます。
投稿: 風の三郎 | 2012年7月23日 (月) 07:06
風の三郎さん
コメントありがとうございます。
大江さんのペン書きが細くて読みにくいのと、校正ヶ所が少なかったためでしょうか、読みとりにくいのが残念です。
有名人も普通の市民も思いは一緒で、同様に扱いたいという気持ちを忘れないで取材を続けたいと思います。
投稿: 山本 | 2012年7月23日 (月) 09:25
baucomJournal さま
まったくです。
何十人もの公安が同じようなメモをして市民を監視することで税金が払われている。おそらく休日出勤の手当も。馬鹿げています。
さらに、取材の邪魔をすることは公務とはいえないでしょう。
投稿: 山本 | 2012年7月23日 (月) 09:32