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2012年4月の投稿

2012年4月30日 (月)

警戒区域で生きる松村直登さんと子牛の石松の誕生Part1 A photo reportage about Mr.Matsumura who stays in No entry zone in Tomioka-machi & a birth of a premature calf.

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 全域が警戒区域となっている富岡町の自宅で生活し続ける松村直登さん(52歳)の生活の一旦を見せてもらった。自宅は福島第一原発から南南西に約12㌔の辺り。松村さんが生まれ育った自宅は、周辺に民家はまばらな森の中にあった。電気も水道もない状態で、飼い犬のアキと拾ってきた放浪癖のあるタロウの二匹、それに二羽のダチョウが飼われていた。(追記:ネコもいることを忘れていた)撮影は4月18~19日。

_aaa0632左がタロウで、右が甲斐犬のアキ。(空間線量は1.7マイクロシーベルト/時)

 自宅に着いてまもなく、松村さんの携帯に連絡が入り、同じ町内で牛のお産の現場に行くことになった。そこからは松村さん自身も未経験の牛の出産から、生まれたばかりの未熟児の子牛の面倒をみるという予想外の展開となっていった。

_aaa0722子牛の前足と頭の一部だけが見えていた。

お産の現場は3月に放れ牛の移動の手伝いで来たことがあり、富岡町役場の近くだった。民間の創生水という会社が水を使った「除染実験」目的のためにトラックで何度も運んだ囲い込みだった。片隅でガリガリに痩せ細った母牛が泥の中に倒れ込んだまま子牛を産もうとしていた。この柵の牛たちに水とエサをやるボランティアをかって出ている遠藤カズオさんが、難産の子牛を一人では引っ張り出せないとのことで、松村さんが救援に駆けつけたわけだ。(追記:この民間会社による除染実験は、遠藤さんによるとまだ開始されていないようだ。会社のWebを見ても情報の更新も少ないし中身がない。囲い込んでも比較実験が開始されないということは、計画が頓挫したのではないか}

_aaa0739二人で前足に縛ったロープを何度か引っ張ると、子牛がやっと飛び出た。人のお産は仕事柄、自宅出産や助産院で3度撮影した経験があるので、この事態にあせる気持ちはなかった。ただ、タイミングだけは外したくなかった。

_aaa0808松村さんはワラを引いた上に、産まれたばかりの子牛を置き直した。独力では向きを変えることもできないほどに、未熟で立とうとする本能も余力もなかった。放っておいたら、母牛と子牛も共倒れだったと思える状況といえた。もちろん、現場は警戒区域で獣医さんが飛んでくるところではない。
_aaa0827時間の経過とともに、子牛の表情から希望が感じられるようになった。

_aaa0009母牛は骨がガリガリで、オッパイが張っていないため、子牛に飲ませようと松村さんがほ乳瓶に初乳を絞った。ほんのわずかしか出なかったが。

_aaa0036遠藤さんが子牛の口を開いて初乳を何とか飲ませることに成功した。申請中のNPO「ガッツ福島」(代表は遠藤さん)にちなんで、子牛を「石松」と名付けたのは遠藤さんだ。

_aaa0079子牛の「石松」が誕生した囲い込みの牛たち。40頭ほどいる。創生水という民間会社による除染実験の目的で殺処分は免れている。(追記:空間線量は5マイクロシーベルト/j時をこえる。囲い込みに隣接する畜産農家の家の庭先では、50マイクロシーベルト/時をこえてしまう雨水が流れ込む地面もある)

_aaa0200倒れ込んだままで、子牛にオッパイをやろうとすることもなく、身動きしなかった母牛を、松村さんたちが懸命に引っ張り起こして、柵の外に連れ出した。胎盤が出てきたのはしばらくしてからだった。いくらか落ち着いたのか、エサのワラをやっても食欲を示さなかった母牛だが自ら青草を食べ始めた。他の牛たちに角で突かれて皮がむけた傷あとが身体中にあった。エサを満足に食べることができなかったことを物語っていた。ここまででお産から3時間経過している。

_aaa0231母と子の動きを見つめる3人。だが、母牛はオッパイをやろうとする素振りはない。子牛の「石松」は、立つのもやっとのことで、オッパイを探ろうとする本能は希薄で素振りがない。

_aaa0460一計を案じ、松村さんは母牛をつないで、石松にオッパイを吸わせようと股の間に何度か入れてみたがダメだった。石松は前足の間にオッパイがあると勘違いの素振りばかりだった。松村さんたちが「石松」を懸命に生かそうとしたが、「石松」の運命を暗示していたいるようだった

_aaa0455_2母牛がなめたりして、身体のぬめりがすっかりとれた「石松」だが。

一気に紹介したいところだが、つづきはPart2にて。

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2012年4月28日 (土)

再稼働絶対反対首相官邸前抗議集会(4月27日)No to Restart Nuclear Power Plants in front of prime minister's office 

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These are the photo reportage about a big gathering voicing agaist restarting Ooi Nclear Power Plants (in Fukui pref) in front of prime minster's official residence on the weekend.

 原発再稼働反対の強固な意思を持つ多数の市民は首相官邸前に雨の中集った。世間はゴールデンウィークに突入するというい週末、短時間のうちに参加者が見る見る増えていった。「総理官邸前」交差点の角に集まった参加者の列が後続が見えないところまで続いたようだ。まるで一つのデモ行進に集まった参加者が一つの集団を作って歩くかのように。参加者の様々な思いを共有するものとして写真で応援したい。

 _aaa0328「原発 再稼働NO!!」

_aaa0180「野田さん あんたわしらを殺す気か?!」

_aaa0200「福島第一原発はまだ収束していませんよ!!」

_aaa0154

_aaa0212_2「大飯再稼働絶対反対」 「大飯原発→危険のおおい原発→おおこわい原発」

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_aaa0208「大飯原発の再稼働に断固反対」「原発は止められる WE CAN STOP THEM」

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_aaa0226時間と共に参加者がぞくぞくと増えていった。最後尾は見えない。

_aaa0316福島第二原発のある富岡町から茨城県に避難している木田節子さんの訴えが心に響いた。「安全ですは嘘でした 断ち切られる絆 補償も帰還も国主導で行われる 誰も責任を取らない 原発立地県のみなさん 福島県民の声を聞き 私たちの悲劇を繰り返さないでください」

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_aaa0268「NO NUKES SAVE CHILD 真の文明は山を荒らさず川を荒らさず村を破らず人を殺さざるべし」「STOP!原発」

_aaa0366_5「原発と原爆同じだよ!」「今、NOと言わなければ」

_aaa0349「人に冷たく無能な国に原発を持つ資格はない 東海村村長 村上達也」 「贈りたい 原発ゼロの こどもの日」 ipadを使ったメッセージは夜が効果的だ。

_aaa0238_2「♪原発廃炉でエエジャナイカ♪♪♪ Soul Flower Union♪♪」

_aaa0377_2

◎念のため、ハンストのつづく経産省前テントの写真も
_aaa0145このテント空間は、再稼働ありきで、一部の集団のための利権存続を計り、国民の声を無視して突き進もうとする政府・経産省の喉仏に突き刺さる「静かに熱く闘う意思」。テントの中では、古い馴染みの日本山妙法寺の大津行秀上人が団扇太鼓を叩きつづけていた。
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2012年4月25日 (水)

「止まった時間」・解除された南相馬市の警戒区域(Former No Entry Zone in Minamisouma city.)

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This is a photo reportage about former No Entry Zone in Minamisouma-city. All photos are taken on April 16-17th. What you could see there is a town where nearly everything is freezed as if no rehabilitation took place after the big earthquake and super tunami on 3/11 becauce of nuclear power plant disaster.

 4月15日深夜12時を境に南相馬市の警戒区域が解除され、空間線量率を元に新たに3区分に分けられた。
_aaa0034_2新たな検問所が浪江町との境界に近い国道6号線上に設置された。深夜に現場に着いたついでに真夜中の検問所に行ってみた。土手の雑草が伸び放題で、「3・11」後のままなことを物語っていた。

 警戒区域が解除されるまでに何度か立ち入った南相馬市小高区。警察の目を気にすることなく、自由に動き回れるので、16日と17日の二日間、線量の低い海側から線量が高めの山側まで回った。立入禁止だったために、地震で崩れ落ちた建物も、大津波で全壊した住宅も、復旧作業が手つかずで、時計の針が止まったかのような空間だった。原発事故による放射能汚染さえなければ・・・。

_aaa0141

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_aaa0196南相馬市役所小高支所裏手の排水設備関係の液状化がすごり。

_aaa0144貴船神社の鳥居や石灯籠などが倒壊している。

_aaa0252墓地の石柱の多くが地震によって倒れたまま。解除されたメリットは屋根の修理や墓地の修繕ができるようになることくらいか。

 解除された警戒区域見直し基準は、航空機モニタリング結果を補正した空間線量率が3.8マイクロシーベルト/時以下が「避難指示解除準備区域」。3.8~9.5マイクロシーベルト/時が「居住制限区域」。共に宿泊禁止で一時帰宅が防護服やスクリーニングなしで自由にできるようになった。9.5マイクロシーベルト/時以上が「帰還困難区域」で立入禁止措置は変わらず。

_aaa0307国道6号線をこえた大津波による惨状も手つかず。

_aaa0324商品が散乱したままのツルハドラッグストア小高店。海岸から2.5㌔離れている。

_aaa0561自動販売機が村上海岸から国道6号線の間に広がる水田地帯に残されていた。

_aaa0498住宅の半分がもぎ取られたままの中川夫妻の自宅。70歳代のご両親が流されて亡くなり、息子さんは翌日救出されて助かったという。「いまでも夢を見ているようだ。住み易いところだったが、ここには戻らない」。村上地区での死者は62名。

_aaa0463同村上地区。

_dsc7706「水没」状態の浦尻地区はもともと埋め立てで造成された水田地帯。現在はポンプで24時間、水をくみ出し排水している。

_dsc7718献花に訪れた家族の姿も(浦尻地区)。113戸のうち、全壊52戸。

_dsc7626村上海岸の破壊された防潮堤。

_aaa0045アカバナミツマタの花が満開だった。

_aaa0036愛犬マロンを連れて解除後に初めての一時帰宅をした葉倉夫妻。三春の枝垂れ桜を苗として成長した桜が咲き始めていた。空間線量は0.9マイクロシーベルト/時。ところが、海風が吹く度に、線量が上がって1マイクロシーベルトをこえた。(小高区羽倉地区)

 約200㌶の水田で米を作り、150俵を出荷していた葉倉さん(60歳)。水源はセシウムに汚染されて使いものにならなくなった大垣ダムという。小高、浪江、双葉の3町が農業用水として利用してきたのが大垣ダム。
「水が使えない。米は作れない。作っても売れない。米作りはもうダメかもしれない」
「水道も使えない。浄化槽も使えない。電気は復旧してもここでは生活できない。仮設が本宅みたいなもので、ここは別荘みたいなもんだ」

_aaa0188JR常磐線桃内駅は浪江駅と小高駅の間にある。線路はツタが繁茂。高台にある駅は大津波の影響はないが。
_aaa0205

_dsc7678移動した検問所は南相馬市と浪江町の境界に近い国道6号線上に設置された。空間線量は0.45マイクロシーベルト/時。

_dsc7764山側の空間線量が2マイクロシーベルト/時をこえる交差点で、愛知県警がノーマスクで車輌チェックをしていた。車から降りて、このスポットはマスク着用をした方が良いと進言した。「下っ端に言われてもどうにもならないから上司に言ってくれ」と。脅威が目に見えない「放射能組みし易し」、と思いこむほど慣れが怖い。

_dsc7743小川から飛び立った白鷺。

 解除された旧警戒区域内に自宅のある人や墓地を持つ住民にとっては歓迎される措置。だが、上下水道は壊れたままで、水を持ち込まないと自宅の掃除もできない。トイレは行政が設置した仮設トイレしか使えない。電気が復旧しても、ライフラインとなる道路などのインフラの復旧が完了しないとどうにもならない。農業が再開できるわけでもない。外部の者も自由に出入りできるので窃盗の心配は増す。収束の目処が立たない原発から20㌔圏内で、放射線量が低めだからといっても、若い世帯が近い将来、暮らせる環境ではないとしかいえない。

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2012年4月 9日 (月)

発行しました! fotgazet Vol.5(JVJAが編集発行するPDFマガジン) fotgazet Vol.5,a PDF magazine, just paublished by JVJA !

東日本大震災と福島原発事故直前の昨年2月に創刊したオンラインPDFマガジンfotgazetの第5号が発行されました。今回からは毎号単体での販売となります。一部600円。バックナンバーの購入も同じ金額で可能です。
これは私も会員の一人で活動するフリーランスのジャーナリスト集団であるJVJA(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)が独自に編集し発行するものです。ビジュアルなメディアなのでパソコンやiPadなどのタブレット端末での利用が最適です。
(fotgazet vol.5 is featuring various photo reportage on a year after 3/11 . Top story is an ariel photography of Fukushima Daiichi Nuclear Power plant by Morizumi Takashi, freelance photojounalist and a member of JVJA .
Another main feature story is a series of B&W portlait of young workers at the Fukushima Daiichi Plant by a young photojounalist Obara Kazuma.

fotgazet is edited and published by JVJA, a group of freelance photojounalist and videojounalist originally. it is 600 yen per issue. JVJA has started publiishing it in February 2011 just a month before 3/11.)

今号の目玉は何といっても森住卓さんによる福島第一原発の空撮。ボロボロの3号機、4号機の現状を見ただけで、野田首相による「原発事故収束」宣言のまやかしを再認識します。同時に、小原一真さんによる寄稿で、その現場で働く若き原発作業員=被曝労働者のポートレートが胸に迫ります。
私は原発から14㌔の浪江町で300頭の和牛を生かし続ける畜産家・吉沢正己さんに密着したフォトストーリーを掲載しています。国による「棄畜棄民」に抵抗する吉沢さんの闘いです。

私たちフリーランスのジャーナリストがこれからも良い取材活動ができ、マスメディアとは異なる視点、市民目線から情報を発信し続けることができるように、どうか購入よろしくお願いします。

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fotgazet vol.5 ダウンロード開始!
「ポスト311」~大津波と核汚染~

http://www.fotgazet.com/

ボロボロの福島第一原発を近距離から空撮。原発作業員のポートレートや原発作業員T氏の手記も掲載。目に見えない放射能を可視化できるラジオオートグラフ では、東大の森敏教授が植物の放射能汚染の実態を告発。被災地の海に生きる造船所の男たち、海へと戻った野蒜のサーファーのフォトストーリー。双葉厚生病院で1000μSv/h以上を計測した日から1年後、JVJA メンバーが再び福島県三春町へ集合した。座談会も収録。

ダウンロード販売 各号600円
※年度購読から個別販売になりました。バックナンバーも購入できます。

【目次】

激写!一年後の福島原発(森住卓):p2~p12
福島の彼方に~原発作業員のポートレート~(小原一真):p13~p24
原発作業員T氏の手記(T):p25~p29
植物の放射能汚染(森敏):p30~p37
「棄民」への抵抗(山本宗補):p38~p51
被災地に響く槌音(野田雅也):p52~p67
野蒜のサーファー(佐藤文則):p68~p81
カルカッタから石巻へ(木村肇):p82~p92
胡四王蘇民祭(野田雅也):p93~p103
座談会 ポスト311(日本ビジュアルジャーナリスト協会):p104p109

全113ページ

お試しはこちら→DLMERKETのサンプル版です

【バックナンバー】各600円

otgazet vol.1 特集「私たちはどんな未来を創るのだろう」
http://fotgazet.com/1/
fotgazet vol.2 特集「世界の核」
http://fotgazet.com/2/
fotgazet vol.3 特集「時代の証言者たち~広島、長崎、水俣、福島」
http://fotgazet.com/3/
fotgazet vol.4 特集「韓流と新大久保」
http://fotgazet.com/4/

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http://www.dlmarket.jp/manufacturer.php/manufacturers_id/4184

※fotgazet はPDF形式のマガジンです。 データのダウンロード販売のみです。

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