「さようなら原発1000万人アクション 2・11」 アピール力のある訴えは個人参加者のものか
(写真はクリックすると拡大します)
大江健三郎さんや落合恵子さんらが呼びかけ人で昨年の9月19日からスタートした「さようなら原発 1000万人アクション」。都内開催3度目のイベントは、主催者発表では12000人の参加者があったという。朝日新聞が朝刊の一面に大きく脱原発デモの写真を掲載したのにはいくらか驚き、大歓迎。だが、内容的には、組織や団体ののぼりやワンパターンのスローガンが会場にあふれ、若干気持ちが萎えた。
掲載した写真で一目瞭然だと思うが、市民の一般参加者と思われる個人や仲間が手にする独自で多様なアピール方法、スローガンの中身が参加者の熱意を感じさせ、説得力があることがわかる。
呼びかけ人の一人、大江健三郎さんの開会のスピーチ。
前回は原稿が赤や青で校正されていたが、今回は校正あとは少なかった。
「ドイツは原発廃止の問題を倫理の問題として取り上げた。~~いま政治家や実業家や官僚たちが、原発をうやむやに再稼働させようとしている。こういう時に私たちは抵抗しなければいけない。抵抗は倫理である。日本人が原発を全廃することは倫理なのです。いかなる価値、経済的価値とか、政治的価値とか、国力がどうのとかを超えた、根本的に一番重要なのが倫理なのです」(大江健三郎さんのスピーチから)
参加組織の幟が集会場を埋め尽くし、一般参加者が入りにくそうな雰囲気だった。
「東電は我が美しき故郷「福島」の自然を返せ!」このアピールも素晴らしく、唸った。
「地震列島 日本に原発 危なすぎ」
「フクシマの風下生きる我が狂気 堕ちよ滅びよ驕奢の時代(ゲンパツニッポン)」
「野田政権による原発再稼働阻止! 全原発を即時停止・廃炉せよ! 日米安保教化・大増税を許すな! 革マル派」 まったく同感できる檄文だ。革マル派も最も大きく目立つ横断幕で堂々と参加。さまざまなグループが思想信条の違いをこえて参集している。
「原発はいらない!」 「ドイツにできた事は日本にもできる!」
「原発を止めろ!」 益永スミコさん(88歳)。戦争中に産婆となり、戦後も助産婦として長年務めてきた素晴らしい一人活動家。益永さんの生き様の記事はこちらに。
外国人男性も思わず写真を撮っていた。
「原発止めよう!」「脱原発を実現し、エネルギー政策を転換! 六ヶ所再処理工場に反対し、放射能汚染を阻止する全国ネットワーク」
「日本人はどうするのか? NO! NUKES! IF YOU WANT IT」
呼びかけ人の一人、落合恵子さん。明るい人だ。
組織的動員で参加者が増えることに異論はまったくない。が、原発事故からもうじき1年が経とうとしている。独自に用意したスローガンやアピール方法による多様な脱原発の訴えがあって自然だろう。
「原発ほうき」「原発再稼働 NO!」「NUKE IS OVER!」「NO MORE FUKUSHIMA」「エネルギー政策転換を!」「STOP NUKES FOREVER!」
「核は人類には制御不能の魔物」 「原発に頼らぬ暮らしを」
「都民が決める!」「原発住民投票条例? 作れるわけないし作るつもりないもん」
埼玉県で農業を営む若者のグループ。放射能によって目に見えない被害を受ける生物をきつねのお面でシンボリックに表現したという。
「福島を返せ! 南相馬市に帰りたい! 故郷lを奪った国と東電を許しません!」
「(保安院 あんたら、ナメてるの?) 再稼働は災禍道! 廃炉こそ文明の選択です!」
個人的にこの日の一番のお気に入りスローガン。このスローガンと傘でのアピール、最高の組み合わせです。
「真の文明は 山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし 田中正造」
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