目安:最近の放射線量測定(大津波被災地・南相馬市・東北自動車道SAほか)
(写真はクリックすると拡大します)
6月にマイ・ガイガーガウンたーを入手してからは、いつも持ち歩いて測定することを習慣づけている。
8月に取材した岩手県大槌町や大津波被災地各地、数値が高めの東北自動車道SAなどと、我が信州の田舎での数値も合わせて紹介したい。(山本注:ただし、このガイガーカウンターは低線量での測定値はシンチレーションタイプほどの精度はなく、若干高めに数値を示す傾向があることはお断りしておきたい。逆に、毎時0.3マイクロシーベルト以上は放射線量の目安として問題ないと思う)
ちょうど、原発から100㌔圏内の土壌汚染(セシウム134と137)マップが、文科省により発表されたので、8月30日には一斉に記事が掲載された。2200ヶ所の空間線量と土壌検査の結果をまとめた内容。以下に朝日新聞の記事を転載。
この記事のポイントは、チェルノブイリ原発事故による「強制移住」対象となる地域が全体の8%をこえたという深刻度にある。加えて、福島市、本宮市、郡山市でもこえる場所が確認されたという点だ。
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「セシウム汚染土壌マップ発表 文科省、原発百キロ圏内」
東京電力福島第一原発から半径100キロ圏内の土壌の汚染度を調べた初の地図を、文部科学省が29日公表した。全国の大学や専門機関が約2200カ所の土を採取し、事故から3カ月後の放射性セシウムの濃度を調べた。除染や避難区域の見直しなどの基礎資料とする。
文科省の調査には延べ129機関、780人が協力した。80キロ圏内は2キロ四方、80~100キロ圏内は10キロ四方に1カ所の割合で、それぞれ5地点で深さ5センチの土を採取。6月14日時点の、半減期が2年のセシウム134と、30年の137の値を出した。
汚染度が高い地域は、原発から北西方向の半径40キロ圏内に集中していた。最も高い大熊町の1地点では、セシウムの合計値は1平方メートルあたり約3千万ベクレルに上った。
チェルノブイリ原発事故では、55万5千ベクレルを超えた地域は「強制移住」の対象となった。今回の調査では、この値を超えた場所は約8%に上った。多くは警戒区域や計画的避難区域などに指定されている地域だが、福島市や本宮市、郡山市などの一部でも超えていた。
チェルノブイリでは、汚染地図が完成したのは事故3年後だった。 (以下略)
(朝日新聞 8月30日朝刊)
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東北自動車道は東京から北上するに連れ、放射線量が序序に上がり始めるのが群馬県館林。(ガイガーカウンターは常にオンにして、ダッシュボードに立てかけている)。その後は栃木県那須高原から白河、そして郡山手前から福島を抜けるまでが高め。その後に高めになるのが岩手県一関から前沢SA前後まで。前沢SAでは毎時0,26マイクロシーベルト前後(8月12日) 実は、6月の段階で平泉や一関市(原発から168㌔)、遠野市(216㌔)などで、牧草から国が定めた乳牛と肥育牛の暫定基準値(1キロ当たり300ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されているから今さら驚くことではない。(岩手日報6月16日) 奥州市(原発から192㌔)の放射線量はこちら
利用客の多い那須高原SAでは毎時0.45マイクロシーベルト。草地では毎時0.5マイクロシーベルトだった。(8月18日)休日には家族連れがゆっくり一休みするところ故、赤ちゃんや幼児が親も知らずに不必要に被曝する確立が高い。国交省が除染しないとほっといていいSAでないことは確かだと思う。
岩手県大槌町吉里吉里。お墓では毎時0.12マイクロシーベルト。(8月13日)
岩手県大船渡市 毎時0.08マイクロシーベルト。(8月17日)
宮城県気仙沼市鹿折 毎時0.11マイクロシーベルト。(8月17日)
宮城県南三陸市 毎時0.09マイクロシーベルト。(8月17日)
南相馬市国道6号線検問所 毎時0.3マイクロシーベルト前後。(8月18日)
南相馬市鹿島区鹿島西町第一応急仮設住宅 毎時0.2マイクロシーベルト。(8月18日) 南相馬市の仮設住宅は山寄りにあるために、残念なことに海側よりも数値が比較的高く、毎時0.4マイクロシーベルトをこえるところに建てられた仮設住宅もある。
南相馬市原町区片倉馬事公苑 毎時1.6マイクロシーベルト。(8月18日) 山側にあるために、海側地域よりもはるかに高い数値。この写真は20㌔圏内の警戒区域からの自動車の集積場となっていて、警戒区域に放置されていた車を持ち出し、運転手と車の放射線量スクリーニングを実施しているもの。この日の持ち出し対象は南相馬市と浪江町だった。
飯舘村役場前 毎時2.9マイクロシーベルト前後。(8月18日)
浪江町と飯舘村の境。国道399号線。毎時15.5マイクロシーベルトをこえる。ここは相変わらず極めて高い一帯だ。(8月18日)
以下二点は相対的な比較として紹介。都内渋谷区ハチ公前交差点は毎時0.11マイクロシーベルト前後。(8月27日) 5月いらい、ほとんど変わらない。
長野県佐久市湯川の平根水車発電所は毎時0.06マイクロシーベルト。(8月23日)
さいごに一言:これらの数値はあくまで目安として知っておいてください。また、4月19日のブログ「写真で見る被災地の放射線量比較」と比べてみるのもオススメです。
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