大震災から3ヶ月:瓦礫はどこまで片づいたのか?
被被災地で生計を立てるものにとっては早い(?)もので、大震災から3ヶ月が過ぎた。13日から15日までの三日間、被災地が初めての人たちを案内しつつ、東北3県を駆け足で回った。個人的には一月半ぶりとなった。原発事故に関心を奪われる日常で、津波被災地の今を忘れてはいませんかという気持ちで各地の写真を紹介したい。こうした状況が全てではないが、被災者の日常や気持ちの立ち直りなどの報道とは別の側面も確かな現実の一部なのだ。
久しぶりに被災地を回っての最たる印象は、なぜ瓦礫の撤去に自治体や市内によって大きな差が生じているのだろうかという疑問だ。瓦礫の撤去が手つかずといってもいい地区がたくさんある。同時に、撤去しても撤去しても山のように残された瓦礫を片づけることの途方もない困難さを表しているのかもしれない。おそらく、どちらもその通りなのではないかと思う。実際のところ、三陸海岸の半島や小さな入江などはほとんと見ていないし、幹線道路から奥に入るほど、水が引いただけで何も変わらない光景が展開しがちなのだ。
岩手県宮古市内の瓦礫集積場 あらゆるものが混然と積み上げられている 6月13日
岩手県陸前高田市 瓦礫撤去が最も早い印象を受けた 6月14日
宮城県気仙沼市鹿折地区 焼け焦げた自動車など、かなり片づいたが・・ 6月14日
宮城県南三陸町 地盤沈下のためか、港に近い道路が冠水したまま 6月14日
宮城県石巻市門脇地区 広範囲に壊滅した住宅街がスローガンを取り巻く 6月14日
宮城県東松島市野蒜地区 ほとんど手つかずに見える 6月15日
宮城県仙台市若林区 民間解体業者の敷地に山積みされた被災車 6月15日
宮城県名取市閖上地区 水も引き船も車もほとんど撤去された 6月15日
福島県南相馬市鹿島地区 20隻をこえる漁船はそのままだった 6月15日
オマケ:福島県南相馬市国道6号線 原発から25㌔の検問所 6月15日
少し前、NHKクローズアップ現代で膨大な瓦礫除去の問題を扱っていたが、全体の2割が瓦礫集積場に運び込まれただけだという。小さな自治体にとっては100年分に相当する瓦礫だともいう。集積する場所がないことも大きな問題だが、撤去にかかる費用も膨大だ。当初から国が撤去費用を払うことを途方もない被害を出した各自治体に徹底していればもっと片づいていたのではないだろうか。
6月17日、石原慎太郎都知事は2020年のオリンピックを東京に誘致したいと言い出した。新聞によると、前回の誘致のための基金が4000億円残っているとのことだ。150億円を誘致キャンペーンに浪費したことにも驚いたものだが、そんな大金が残っていることに自体に驚愕する。4000億円あればどれくらいの瓦礫が除去できるだろうかと考えてしまう。税金の真っ当な使い方は何か?大震災被災地はいまこそ膨大な予算が必要なのだ。
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