原発事故、放射能、地震、津波という未曾有の複合災害
(5月18日、山本注:ブログ開始当初は写真の掲載方法がわからないままでした。二ヶ月遅れとなりましたが、ブログの結びに記したように、12日から16日までの最初の取材で撮影した写真を載せます)
東北太平洋沖大震災が起きて11日が過ぎた。ドキッとする余震が毎日何度も繰り返される日常はまだ変わらない。ところが、東京電力の福島第一原発の危機的状況が、まるで山をこえたような空気がマスコミを通じてばら撒かれているような気がする。自助努力のできない東電に代わって、自衛隊や東京消防庁のレスキュー隊などによる命がけの放水効果にも助けられ、東電は首の皮一枚でつながっているだけの段階ではないのか。すでに大量の放射能物質を大気に放出する事態を招いてしまってもいる。電力会社が大震災によって自家発電能力さえも失い、原発の炉心を冷却する能力を失ったという、ありえない事故を起こしたことが不問にふされようとしているかのようだ。
今日、東電のホームページをチェックして、原発問題や放射能問題の素人である私にさえ気づく、東電の地震対策や安全策が、危機意識がまるでないことがよくわかった。
その1:東電ホームページからわかる地震対策の盲点1:「考えられる最大の地震も考慮」して設計したのは原子炉格納容器と原子炉圧力容器。ところが一般機器・配電系(発電器や循環水系、変圧器)の耐震性基準は同レベルでなければ危ないと思われるのに、何故か低い!原子炉格納容器が大震災に耐えられたとしても、循環水系や配電系はもろくも使い物にならないくらいダメージを受けた。それによって炉心は緊急に冷却されずにhttp://tinyurl.com/4bmghrb
その2:東電ホームページからわかる地震対策の盲点2:「原子力の安性性と多重防護」では、原子炉圧力容器や原子炉格納容器の多重防護を解説。ところが、水素爆発で吹き飛び、放水で懸命の冷却を試みる使用済み燃料棒貯蔵プールに関する安全対策の記述はない! http://tinyurl.com/4b6rfjq
つまり、何が見えてくるかというと、東電は頭かくして尻隠さず対策でも、「原発は安全」とPRし続けてきたということであり、燃料プールを覆うものがなくむき出し状態同然となる事態を全く想定していない安全策が、東電のホームページから素人にも読み取れるということだ。要するに、起きてはならない原発事故が起きた原因は、想定外の天災によるもとだけではなく、最初から事故を想定していない人災の要素の方がはるかに高いといえることになる。
写真は12日から被災地に取材に入って16日までに撮影したものです。
3月12日、原発から40㌔以上離れた田村市文化センターに避難した大熊町の住民
3月13日 双葉町内、国道288号線の地震で崩落した常磐線陸橋 原発から5㌔
同13日 双葉町厚生病院前 地震による地割れ 緊急避難の跡がそのまま 原発から3.5㌔ 同行したジャーナリストのガイガーカウンターの針が振り切れ、毎時1000マイクロシーベルトの異常に高い放射線量を測定した
同13日 双葉町の取材はフリーランスジャーナリスト6人での合同取材となった
同13日 双葉町役場に向かう道路上の標語 「原子力 郷土の発展 豊かな未来」 原発から約4㌔
同16日 放射線のスクリーニングを受ける浪江町の救急車から降りた隊員。浪江町から多数の住民がバスで避難先をなった二本松市に到着した。住民たちは建物の中で一人づつスクリーニングを受けたが、窓越しでの撮影しか許可されなかった。(福島県二本松市男女共同参画センター)
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